宇都宮市と日本財団が連携協定を締結

 宇都宮市は9月25日、日本財団と「親亡き後」の支援の充実に向けた連携協定を締結しました。

 日本財団はこれまで、大分県と連携し、障害のある人の「親なきあと」を支える「親なきあと」サポートプロジェクトを展開してきました。今回の宇都宮市との連携協定は、全国で2番目の取り組みとなります。

 今回の連携によって、まず期待されるのが、「親なき後相談室」の機能の充実です。親亡き後の生活については、住まい、福祉サービス、医療、成年後見、財産管理など、さまざまな課題があります。宇都宮市ではこの4月から「親なき後相談窓口」を設置していますが、これらの課題を一つひとつ別々の窓口に相談するのではなく、本人や家族の状況を踏まえて、必要な支援につないでいく相談機能がさらに充実することが期待されます。また、親が元気なうちから将来について相談できる場となれば、家族が抱えている「何から準備したらよいのか分からない」という不安の軽減にもつながります。

 次に重要なのが、障害のある人の情報を将来にわたって引き継ぐ仕組みづくりです。親が長年担ってきた本人の生活歴や健康状態、コミュニケーションの方法、好きなこと・苦手なこと、これまでの支援の経過などを、親がいなくなった後も支援者が理解できるように「支援引き継ぎカルテ」を作ることは、本人らしい生活を継続するうえで大切です。日本財団ではこの支援に関わる相談員養成講座を開催し、人材養成を行っています。そして福祉サービス事業所や医療機関など、関係する機関の間で必要な情報を適切に引き継ぐ仕組みが整えば、「親がいないと本人のことが分からない」という状況を減らすことにもつながります。

 さらに、重度の障害のある人を受け入れる多様な住まいのモデルづくりも大きな課題です。現在のグループホームだけでは対応が難しい人も含め、一人ひとりの障害の程度や生活スタイル、本人の希望に応じて暮らし方を選択できる環境をどのようにつくっていくのか。日本財団との連携を通して、新しい住まいの形や支援のあり方が宇都宮市で生まれることを期待したいと思います。

 そして、この取り組みで大切なのは、「親がいなくなった後の対策」だけにとどまらないことです。親が元気なうちから、本人がどのような人生を送りたいのかを考え、その希望を家族や支援者と共有し、地域の中に本人を支える人や場所を少しずつ増やしていくことが重要です。

 今回の連携協定をきっかけに、宇都宮市において、親がいなくなっても本人の人生が途切れることなく、本人が地域の中で安心して、自分らしく暮らし続けることができる支援の仕組みが整っていくことを、宇都宮市知的障害者育成会としても大いに期待するところです。(2026.9.26記、文責:池本)

\ 最新情報をチェック /